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機知なき故に法を見る

世の中の出来事が法律的にどうなっているのかを考えるブログです。

蓮舫氏に対する公正証書原本不実記載罪としての告訴について

 

平成28年12月15日、民進党の代表である蓮舫氏の「二重国籍」(日本国籍・台湾国籍)問題で、東京都の男性が、次の理由により、公正証書原本不実記載等未遂の罪で告発状を提出したと報道されています。

 ・外国籍を喪失していないにもかかわらず、虚偽の申し立てをして戸籍簿に不実の記録をさせようとした

・台湾籍を喪失した事実がないにもかかわらず、外国籍の証明と誤信させる書面を添付し「外国国籍喪失届」を提出し戸籍簿に不実の記録をさせようとした

 

公正証書原本不実記載罪

さて、あまり耳慣れない犯罪だと思いますが、この公正証書原本不実記載の罪というのはどういった犯罪なのでしょうか

刑法 157条1項 

公務員に対し虚偽の申立てをして,登記簿,戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ,又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 

 

公正証書原本不実記載罪の罪の要件

客観的な要件

上記条文からは、戸籍に関する公正証書原本不実記載罪の客観的な成立要件はつぎのとおりとなります

① 公務員に対して虚偽の申し立てをしたこと

② 戸籍簿に不実の記載をさせた

今回は、未遂罪の告訴ということなので、②の要件は不要で、客観的な要件に関して言えば、蓮舫氏の犯罪の成否は、①の要件が満たされるか否かによるという事になります。

 虚偽の申し立てとは

 公正証書原本不実記載罪の成立要件は以上のとおりですから、本件では、蓮舫氏が、台湾籍を喪失した事実がないにもかかわらず、「外国籍の喪失の)証明と誤信させる書面を添付」して「外国国籍喪失届」を提出した行為が、「虚偽の申し立て」に当たるか否かが問題となります。

そして、蓮舫氏が、国籍の選択も台湾籍の喪失もしていなければ(報道上はその可能性の方が高そう)、外国国籍喪失届の提出自体が「虚偽の申し立て」ともいえそうです。

  

外国籍の証明と誤診させる書面

ただ、一つひっかかるのは、添付されたと報道されている「外国籍の証明と誤信させる書面」。

これが「外国籍の喪失の証明と誤信させる書面」という証明であれば意味は分かりやすいのですが、これが文字通り「外国籍があることの証明」であれば、この部分は虚偽ではないということになります。

 そして、この添付資料の内容次第では、蓮舫氏の申し立ては、全体としては、戸籍担当者を誤信させるようなものではない(虚偽性がない)との判断結果もあり得るところだと思われます。